有機栽培には必要不可欠な緑肥について
こんにちはMiyaです。
きょうは緑肥についてお話していこうと思います。
目 次
1.緑肥(りょくひ)とは
緑肥(りょくひ)とは、名前の通り栽培した緑色植物をそのまま田畑に漉き込んで肥料とすること。これに用いられる植物は「緑肥作物」といいます。
一般的にイネ科やマメ科の作物を利用する事が多いです。
緑肥は、昔から活用されておりヨーロッパではクローバーを小麦の作付け前に。アメリカでは大豆をトウモロコシの作付け前にすき込んでいたようです。
2.緑肥の種類
- マメ科
マメ科植物は窒素固定をしてくれるので、土地が次第に肥沃(ひよく)になっていきます。
大 豆
青刈り用として使用します。
ヤブツルアズキ
野生のアズキで、つる性に広がり野草を押し倒します。こぼれ種で越冬するので、一度撒くとずっと利用できます。
赤クローバー、クリムソンクローバー、アルサイクロクローバー
株立ちなので、播種する以外で広がることはありません。アルサイクロクローバーは赤・クリムソンクローバーより酸性土壌に強く、耐湿性もあるので水田跡の土壌改良資材におすすめです。
白クローバー
酸性の土壌に強く、耐寒性、耐暑性も強く生育の旺盛な植物です。ランナーで広がる為、管理が大変になる場合があります。
ヘアリーベッチ
土壌に対する適応性が大きく、日陰でも生育良好 巻きひげで絡みながらマット状に伸び、厚さが20㎝以上になる為、他の雑草を良く抑制してくれます。
クロタラリア
酸性地・やせ地でも良く生育します。草丈は2mを越し、有機物源として有用で窒素固定力はレンゲの3倍もあり、ネコブセンチュウを抑制するのに役立ちます。
セスバニア
やや酸性地で良く育ち、草丈は3~4m、硬盤破砕能力が高く地中1m以上伸びます。窒素固定能力も非常に高いです。
- イネ科
イネ科の緑肥作物は、土壌中の余分な肥料分を吸い取る為、クリーニングクロップとも呼ばれます。刈り込んだ後、土壌中にすき込むことにより有機物を供給することが出来ます。
イタリアンラグラス、ペレ二アルライグラス、レッドトップ
牧草として使用 刈敷きにはもってこいの草丈 刈込みを何回も行うと、地表近くに根がマット状に張るので空気が通りにくくなってしまう。プラウ等で反転耕を行うと良いでしょう。
エンバク、ライムギ、ヒエ
ライムギはやせ地に向いており、ネグサレセンチュウの防除に役立ちます。いずれもクリーニングクロップとして、土壌養分のバランス回復に役立ちます。
ギニアグラス、ソルガム、ローズグラス等
熱帯・亜熱帯の原産で生育が旺盛な為、草丈も高く刈敷き材料が大量に確保できます。
3.緑肥の使用方法
- 施 肥
前作物分の養分が土壌中にある場合や収穫残渣が多くすき込まれている場合などは、無施肥で栽培できます。また、マメ科は無施肥で栽培できます。
- すき込み
作物を大きくすれば、より多くの有機物をすき込むことが出来ます。しかし、生育が進むと窒素に対するC/N比(この数値が大きいと分解が遅くなる。)が高くなります。イネ科は出穂始期、マメ科は開花始期が適期でしょう。
- 青刈り、刈敷き
草丈が高くなる緑肥は1m程度になったときに刈り取り、畝間等に敷くことで雑草の抑制をしてくれます。また、すき込まなくても自然と分解されて いきます。